創業時における経営理念の役割

こんにちは。
CEOの中島文平(なかじまぶんぺい)です。

企業のライフサイクルは、幼年期、成長期、成熟期、衰退期というステージを辿っていくことになりますが、この4つの各ステージの変遷の中で、経営理念に求められることも変わっていきます。

今回は、幼年期に当たる創業時における経営理念の役割についてお話したいと思います。

原点に立ち返るために

創業する時は、ひとりであったり、2、3人であったりと比較的少ない人数であることが多く、自分だけ、もしくはわかり合っている仲間だけだから、わざわざ経営理念という形にする必要がないと考える方が多いと思います。

しかし、この創業時の想いや価値観、将来像といった頭の中にあるものを言葉や形にすることができるのは、その時だけなのです。

実際に事業が始まれば、明日以降も継続していくための資金のこと、取り扱っている商品・サービスのこと、目の前にいるお客さまのことについて考え、行動しなければいけなくなります。

創業時に経営理念を策定していないと、日々、お金のため、商品・サービスのため、お客さまのために実務に取り組む中で、知らず知らずの間に創業時の想いや価値観、将来像から掛け離れた事業になってしまっていたということになりかねません。

そうなってしまうと、元々自分は何をしたくて創業したのか、こんなことがやりたかったのかと後悔することになってしまうかもしれません。

事業を開始して、忙しい日々が続いていても、立ち返る原点を確認できるようにするために、創業時に経営理念として形にしておくとよいと思います。

創業融資を受けるために

創業時に融資を受けるという方は多いと思います。

創業融資では、創業計画書(事業計画書)の内容が融資が受けられるかに大きな影響を与えます。

創業計画書(事業計画書)には、金融機関によってフォーマットは多少異なりますが、経営者、商品・サービス、お客さま、競合他社、仕入先、従業員、必要資金と調達先、売上計画などについて記載することになります。

商品・サービスがしっかりしていて、売上と利益が出る事業であると評価してもらえれば、融資を受けられると考える方もいるのですが、経営者がこれまでどのような経歴を持っているのか、どのような想いであるのかということも重視されます。自分のことを知らない金融機関の方に、自分にはこの事業で創業するという強い気持ちがあることを伝える必要があるのです。

日本政策金融公庫の創業計画書では「創業の動機」という項目になりますが、ダラダラとこんなことがやりたいから、興味があるからなどと書いてはいけません。

この「創業の動機」で説得力があり、かつ強い気持ちがあることを伝えるために経営理念が役に立ちます。

経営理念は、ミッション(果たすべき役割)、ビジョン(目指す将来像)、バリュー(大切にしていること)という構成で表現することが多いのですが、この果たすべき役割、目指す将来像、大切にしていることという3つの観点で「創業の動機」を表現できるとよいです。

このように、創業融資を受けるためにも経営理念が役に立つのです。

まとめ

創業時の経営理念の役割を整理すると以下のようなことが挙げられます。

・船が航海する時に進むべき方向を指し示す羅針盤のような役割を果たす

・どんなことがあっても揺るがない経営理念があることで正しい方向へ進むことができる

・困難に立ち向かうときに心の支えになる

・第三者にどのような事業をおこなうのか、どのような想いを持っているのかを伝えることができる

今回お話したように、創業時に経営理念を策定することには多くのメリットがあります。創業時に経営理念を策定しましょう。